・夢先案内人さん(男性/31歳) 2014/07/27 11:55:32
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「ママ?」
「ん…お帰り…今日…寒かったね…」
今日は機嫌がいい
「ごはん…海老フライなの…レンジで2分ね…」
この人は 35歳のくせにすっごいお天気やで
「うんこ」
いつまでもお嬢さまで…
「くっく(笑)きったない子ぉ」
わがままで…
恋人と会った日は必ずこの曲を聴く
《きょうは ママの 誕生日》
「ママ?」
あたしはママにこれをプレゼントしてあげる…
「あたし今日…万引きで捕まったよ(笑)連絡なかった?」
「…さぁ…今日…他で仕事してたから…」
「こんな時にも迎えに来ないなんて酷い母親だって、ユッコちゃんのママが言ってたよ」
「……」
なぁんにもいえねーのかよ こいつ
「ばいばい また明日ね」
へんなヤツっ
あ 変なこといっちゃった
あたし よくあるTVドラマみたいにママに迎えにきてほしいからジョブリ(万引き)やったんじゃないのに
ちきしょー
オヤがあったってなくたって 子供の不良化にはかんけーねーやって絵里はいってた
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あたしの宏子さんは タクティスのにおい
髪の色をぬくにはたしかこれだったと思う (絵里がいってた)
やりかたがわかんないから全部かぶった
目に入ったら死ぬかもしれない
死ぬかもしれない
「なにこの白いの…かゆい…」
手がくさる…
「かゆい かゆい…かゆい…」
そっか 死ぬんだ
14歳少女は脱色しようとして間違った薬をかぶり
死ぬんだ
髪の毛も茶色くならないし
『よぉくひとりでやってけるよなぁ』
『でもあいつは自分でかせがなきゃなんないわけがあるから…』
髪の毛は茶色くなかったけど 手はもとどーりになってた
『ハルヤマんちもいろいろあるから』
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「どしたの?頭…なんかやったの?」
「……うん…」
「…変なのっ。か…変わったのね、急に…」
「うん」
ママのお天気につきあうのがばかばかしくなっただけ
「ママ…あたしがパパじゃなくて、あのひとの子供だったら…よかったね(笑)」
「……変な顔…いま…すっごい変なかおしてるよ」
ママは恋人が好き
すごく好き
「なんでそれ着てるの?」
「……?」
「そのガウン…もとはママのでしょ?なんでいつも着てるの?」
「……」
「なんでいつもいつも着てるの?自分のたくさんあるのに…ママの好きなやつとっちゃって…最初はきれいなピンクだったのに…いつのまにかサーモンピンクになっちゃって」
ママは…
恋人を
すご…く…
「どして?どしていつもいつも……」
「……うっ…」
「…え?な、なんで?なんで泣くの?なんで泣くのよ!?」
「うぅっ…」
「なんでぇ!?」
わかんない わかんない
「そ、それあげる、いらないの、ほんとは…あんたがいじわるいうから…」
たったひとつだけききたいこと…
ママ…
あたしの……こ…と…
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