NO.862194 ・とれ〜にんぐまにあさん(男性/42歳) 2014/05/01 19:59:16
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既に有効な回答が寄せられていますので、わたしから科学的な説明を補足させていただきます。
まず、基礎代謝とは、運動や消化などのダイナミックな活動以外、つまり特に何もしてなくても(睡眠時であっても)生命維持に必要な最低限の活動のために行われるエネルギー消費を「基礎代謝」と定義します。 具体的には、脳の活動、肝臓の活動、そして、体温維持のための筋肉の活動が「基礎代謝」の内容です。
ここでおさえておきたいのは、基礎代謝の大部分は体温維持のための筋肉の活動です。寝ているときも筋肉の活動?!と疑問に思われるかもしれませんが、体温となる熱エネルギーの産生には筋肉が常に働いているのです。通常だと意識できないこの活動も、例えば、運動をするとからだが熱くなって汗をかいたり、寒い環境にいるとからだがガタガタ震える(筋肉が小刻みに運動している状態)などによって、筋肉が体温を生み出していることを理解できるでしょう。
というわけで、基礎代謝がどれくらいであるかを一般に計る指標は、筋肉量となるのです。 ここで注意しておきたいのは、筋肉(骨格筋)と言っても、大きく速筋と遅筋というものに大別されて、体温を生み出す=基礎代謝に関わるのは、速筋のほうであるということです。
さて、現在、ウォーキングに励まれているということで、それで「基礎代謝を上げている」とのことですが、残念ながら、ウォーキングということでは基礎代謝を上げる効果は大したことはありません。全くないとは言いません。今までが運動不足であれば、ウォーキングという日常活動以上の負荷を与えることで、筋肉に刺激を与え、筋増量効果もいくらかあります。 しかし、ウォーキングは有酸素運動ということで、筋肉のうち、主に遅筋を使う活動であり、遅筋というものは刺激してもあまり増量しません。増量しにくい上に、基礎代謝への関わりも弱いため、つまり、ウォーキング程度では基礎代謝の上昇にはあまり貢献しないのです。
ずばり、基礎代謝を上げたければ、筋肉のうち、速筋を増やすことが効果的です。速筋を増やすためには、いわゆる筋トレを行う必要があります。 筋トレと言っても、ハードなものを想定する必要はありません。あくまで、ウォーキング程度では不十分、もう少し強い刺激が必要ということです。 女性の場合、脚を横に大きく広げて行うワイドスクワット、脚を前後に大きく広げて行うランジといった、下半身の筋トレがおすすめです。そんなことをしたら筋肉で脚が太くなる?!と心配する人がいますけど、女性の場合、幸か不幸か男性みたいにムキムキになることはないので、安心してこれらの筋トレを行ってみてください。代謝の向上において下半身の強化は重要ですので、まずはこれらの下半身の筋トレをお勧めします。 さらに、余裕があれば、腹筋・背筋種目、またデコルテや二の腕裏を美しくするための腕立て伏せなどもお勧めします。
最後に、このようにして一度上げた基礎代謝がどう維持されるかということですが、既に述べたように筋肉量(特に速筋の量)に左右されることと、速筋は使われないとからだが判断すると速やかに減ってしまう性質を持つことから、速筋を鍛え維持するトレーニングを止めると、比較的短時間で減ってしまう(元に戻ってしまいます)。継続的なトレーニングが必要であるということです。 だからと言って、毎日しんどいトレーニングをせよ!とは申しません。 まず、筋肉(速筋)を育てるためには、上記の筋トレを週2〜3回、最低3カ月〜半年くらい行って、それで基礎代謝が十分に上がった(理想的なボディに仕上がった)ということであれば、あとは週1回の同筋トレを継続すれば、筋肉(速筋)=基礎代謝を維持できます。
ウォーキングは決して悪いトレーニングではないのですが、基礎代謝向上ということからすると、それだけでは不十分ということです。ウォーキング前の準備運動という感じで、筋トレも行ってみてください。 そして、からだというものは正直で、怠けされたらあっという間に元に戻ってしまう性質を持つので、無理のない範囲で楽しみながら快適な運動をライフワークとして実践してください。 |