NO.834294 ・神と呼ばれる男さん(男性/99歳) 2013/09/14 14:50:21
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1)ここは御国を何百里離れて遠き満州の赤い夕陽に照らされて友は野末の石の下 2)思えば悲し昨日まで真っ先駆けて突進し敵をさんざん懲らしたる勇士はここに眠れるか 3)ああ戦いの最中に隣に居ったこの友のにわかにはたと倒れしを我は思わず駆け寄りて 4)軍律厳しい中なれどこれが見捨てておかりょうかしっかりせよと抱き起こし仮包帯も弾の中 5)おりから起こる吶喊に友はようよう顔上げて御国のためだかまわずに遅れてくれなと目に涙 6)あとに心は残れども残しちゃならぬこの体それじゃ行くよと別れたが永の別れとなったのか 7)戦い済んで日が暮れて探しに戻る心ではどうか生きていてくれと物なと言えと願うたに 8)虚しく冷えて魂は国へ帰ったポケットに時計ばかりがコチコチと動いているのも情けなや 9)思えば去年船出して御国が見えずなった時玄界灘に手を握り名を名乗ったが始めにて 10)それより後は一本の煙草も二人分けてのみ着いた手紙も見せ合うて身の上話繰り返し 11)肩を抱いては口癖にどうせ命はないものよ死んだら骨を頼むぞと言い交わしたる二人仲 12)思いもよらず我一人不思議に命永らえて赤い夕陽の満州に友の塚穴掘ろうとは 13)隈なく晴れた月今宵心しみじみ筆とって友の最期をこまごまと親御へ送るこの手紙 14)筆の運びは拙いが行燈の陰で親たちの読まるる心思いやり思わず落とすひとしずく
(-_-)♪〃
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