NO.772025 ・エースさん(男性/99歳) 2012/05/05 22:11:13
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お釈迦様の葬儀が火葬で行われた事により、日本では簡単に受け入れられた。
はるか昔、小学生のころ母方の祖父の土葬に参列した事がある。 火葬のように身内でも喪服を着ているだけで、あとは葬儀社任せという訳ではない。 親戚は当然ながら隣近所総出で執り行われる。 孫の中で最年長だった俺にも「前火(たいまつ)」を持つ役割が与えられた。
葬列は、先に出発した手伝いの長老が持つ「辻ろう」とは別で「導鐘」を先頭にして、早朝に作った「前火」を男の子(孫)が持ち「造花」「主花(生花)」と続き次に「4本幡」となる。 「4本幡」は、人の格好をした紙4枚に住職が梵字を書き、これを板にぶら下げたのを4枚作る。これを板の上から出た棒を2人が両側から持ち、後方にも同様に1列続く。 さらに「婦人」「紙花」と続く。「紙花」は白紙その後は金銀紙を30a位の竹の上半分に紙で作った花を周囲に取り付けて下を束ねたもので、子供の長女から順に女性のみ4人が持つ。 これに続いて「役僧(よその僧侶)」「導師」が続き、導師には近所の手伝いの「大傘(僧侶の日よけの番傘)」と「曲録」持ちが従う。さらに「樒」1対を手伝い2人が「先燈籠」2本を親戚2人が持つ。 次が「棺」と「天蓋」で、棺の「輿担き」は白衣を着て草鞋(わらじ)を履き、梵字が書かれた三角形に折った紙を顔の正面頭上に「こより」で取り付けられる。 前方を男の子供が担ぎ、後方を血の濃い人が担ぐ。「天蓋」は、羽織り袴の娘婿が棺の横から棺上にさしかける。 「位牌」は後継ぎの女(息子の嫁)が持ち、「霊供(おぜん)」に続いて「近親」「会葬者一同」ら50〜60人ほどが葬列に参加する。
道は「野辺送り」と言われる葬式道を歩いていく。 墓では、僧侶が読経を上げ引導を死者に授けた後、近所の手伝いによって縄でゆっくりと墓穴(近所の手伝いにより掘ってある)に降ろされ、親族や家族が土を3回ずつ上からかけ棺を埋める。その上に位牌を立て供物を供えて周囲に花などを飾る。 会葬者が帰るときは、迎え地蔵の近くにムシロを敷き、そこに長男と輿を担いだ2人が裸足で座って手をつき頭をずっと下げておかねばならない。
こんな大袈裟な葬儀をしてくれと俺は言えない。 |