NO.670205 ・匿名さん(男性/99歳) 2011/02/26 14:56:59
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先のゆいさんのご意見にフォローさせていただきます。
食後に眠くなる本当の理由は、大きく2つ。 ひとつは、食べたものの消化活動のために、消化器官に回す血液量がどっと増えて、その分、脳に回す血液量がどっと減って、脳が活発に働けなくなる、ということです。 もうひとつは、消化活動時には副交感神経が(交感神経に対して)優位になるのですが、これは、からだを消化活動に専念させるために、脳や筋肉といったところのその他の活動を抑える意味があり、やはり、脳が活発に働けなくなる、ということです。
からだが消化活動を行うためにエネルギーをかなり使うというのは、眠たくなる原因としては少し違うのですが、現象の説明としては正しいものです。 食事をすると、体温が上昇します。これは、副交感神経が優位になることによる(副交感神経が優位のときに体温は上昇し、交感神経が優位のときに体温は下降する)理由と、消化器官という大きな臓器が活発に働く(運動で筋肉が活発に働くのと同じようなこと)という理由から、食事誘発性熱産生というエネルギー代謝が生じることによります。この食事誘発性熱産生は、個人差はあるものの、1日の総消費カロリーの10%程度を占めるものです。 ダイエットの仕方として、食事を小分けにして、回数を増やすのがよいと言われますが、これは、血糖値の乱高下を防止する意味の他に、食事誘発性熱産生の機会を増やして、消費カロリーを増やそうという意味もあるのです。 ただし、お菓子やジュースといった、いわゆる間食をOKとするものではありません。こうしたものは、消化しやすいものが多く、消化器官の働きを活発にして食事誘発性熱産生を引き起こす作用が乏しい一方、血糖値を急上昇させるだけですので、やはり、ダイエットの敵です。間食ではなく、きちんとした食事を小分けにして回数を増やすということでなければならない、という点は誤解のなきように。
では、食事誘発性熱産生が起きるなら、食後すぐに寝てしまってもダイエット上の問題はない、ということには必ずしもなりません。 食事をすると、血糖値が上昇することで、インスリンというホルモンが分泌されるわけですが、インスリンは血糖(血液中に漂う糖質)をからだの各組織に強制的に取り込ませる働きがあります。糖質の引き受け手をお世話する、おせっかいさんがインスリンです。ここで、よくある誤解ですが、インスリンは脂肪組織に糖質を引き受けさせて体脂肪として蓄積させる、だけのものではありません。糖質の引き受け手は、脳やら筋肉やら肝臓やらもあるのです。頭やからだをバリバリ働かせていれば、インスリンは、脳や筋肉や肝臓に糖質を引き受けてもらうようにお世話するのです。ところが、活発な活動を行っていないと、脳や筋肉や肝臓には引き受ける余地がないので、ならばと最終的に引き受けてくれるのが脂肪組織なのです。 食後すぐに寝てしまうと、当然、脳や筋肉などの引き受けは減り、仕方なく脂肪組織にどんどん引き受けてもらうことなるわけですね。だから、食後すぐに寝ることはダイエットの敵なのです。
ただし、うまいやり方があります。食後すぐに眠たくなったら、15分程度のちょい寝をして、その後、バリバリ活動する、というやり方です。これであれば、消化活動を助け、眠気を解消し、体脂肪のいたずらな蓄積を防げます。特に、昼食後に、このちょい昼寝をして、それからの午後を活発にすごすというのは、健康上、とても効果的です。
食後すぐに、がっつり寝ることは、食事量に関係なく、ダイエット上の問題を引き起こします。一方、寝ないようにしたとしても、結局ダラダラとすごすだけで終わったら、それは、寝てしまったのと変わりません。ちょい寝してバリバリ活動するといった、メリハリをつけることが重要です。 |