NO.589588 ・とれ〜にんぐまにあさん(男性/38歳) 2010/04/29 12:22:56
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追加質問がありましたので、主問とはズレますが、お答えします。
ストレッチというものは、アメリカのボブ・アンダーソンさんが提唱したことに始まると言われています。 当のボブさんは、自分の硬い身体をどうにかしたいと思い、 筋肉を伸ばせばいいとヒラメキ、 実践したところ、 筋肉が柔らかく伸びやすくなるだけでなく、 同時に、身体の状態が向上し、運動が行いやすくなった、 という結果を得ました。 そこで、彼は著書をもって、広く喧伝したことから、 ストレッチというものが一般化したと言われています。 それまでも、一部のスポーツ選手がストレッチを実践していたらしいですが、 一般に広め、トレーニング界の常識と成させたのは彼の貢献です。 ちなみに、ラジオ体操というのも、一種のストレッチ運動ですし、 この手の動作の重要性は古くから認識されてはいたようです。
ボブさんが提唱したものは、 現在でいうところの静的ストレッチになります。 一般に皆さんが思っていらっしゃるストレッチも、 静的ストレッチ(反動を加えず、ゆっくりと伸ばし、数十秒間キープさせる動作)だと思います。 静的ストレッチの主効果は、現在では、トレーニングによって、筋繊維の状態が不規則になっている(いびつにゆがんでいる)のを、引っ張っることで、正しい並び(本来の状態)に戻す役割があると言われています。 普段、トレーニングを行っていない状態の場合、姿勢保持(得てして無理な姿勢保持)のために、収縮一辺倒である筋肉に対して、伸ばす動作を加えることで、一種の運動状態(伸び縮み)を経験させて、筋肉の伸縮をコントロールする運動神経を目覚めさせる(その結果、収縮一辺倒の状態を解消させて、筋肉を伸長しやすくさせる、つまり、柔らかくなる)という意味もあります。 さらに、トレーニング後の場合、筋繊維の状態を正常に戻すことで、阻害されていた体液や血流の流れを改善し、筋修復・筋成長を促す意味もあります。
ストレッチは、静的ストレッチだけでなく、動的ストレッチやPNFというものもあります。
動的ストレッチは、反動を付けながら筋肉を稼働域いっぱいに伸縮させて、筋肉への血流増進、筋温の上昇を図り、筋肉の動作状態を向上させるものです。 そのため、トレーニング前のウォーミングアップとして行われます。 また、スロートレーニングや加圧トレーニングでは、トレーニング中に阻害された血流の流れをすみやかに回復させるために、トレーニング後のストレッチとして動的ストレッチを行います。
ストレッチ(静的でも動的でも)は、脊髄反射による筋肉の特性を利用したものですが、PNFは、単純な反射ではなく、脳の運動支配を刺激するものとして開発されたストレッチになります。詳しい説明はややこしいので略させてください。
いずれにせよ、ストレッチとは、筋肉(細かくは筋繊維の配列状況)を正しくすると同時に、筋肉をコントロールする神経作用を正しくするために、筋肉を最大限に伸ばして刺激を与える動作であると理解すればよいでしょう。 ストレッチだけでは筋成長(筋肥大)は望めませんが、筋維持の効果はあると言われています。 同様に、運動能力の維持、正常な代謝の維持などに効果があると言われています。 日常生活で運動を行っていない人の場合は、身体のマイナス状態をゼロの健常状態に戻す作用、その意味での向上効果はあると言われています。 |