・洋二さん(男性/24歳) 2009/10/07 14:06:54
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先日、「戸田家の兄妹」という映画を見ました。 この作品は、1941年(昭和16年)に松竹蒲田で製作された作品で、70年くらい前のものなのですが、現代とのあまりの違いに衝撃を受けました。 もちろん映画ですから、多少の脚色はあるのでしょうが、それでも、今の感覚からいうと理解出来ない部分や、戦前の社会情勢が強く反映されており、とても興味を引くものでした。 戸田家というある資産一族の話なのですが、そこで雇われているお手伝いさんの人権が今では考えられないんですね。 奴隷に近い扱いを受けていて、決して乱暴にされている訳ではないのですが、雇い人・・・すなわちそこの家族に呼びつけられれば「はい、ご主人様」とすぐに駆け寄り、跪いて下から上を見上げてご主人様の指示を待つという姿勢を取るんです。 絶対にご主人様よりも視線が上にあってはいけない・・・ そしてそこの家族の人達も、「これやって頂戴、あれを持って来い」と平然と奴隷に指示するような感じで淡々とこき使うんですよね。 この家には中学生の子供がいるのですが、その子供までもが大人同様に女中を奴隷のように平気でこき使うのです。 今でもお手伝いさんとか家政婦さんっているけど、いくら何でも最低限、人としての人権はありますよね?それがまるでない・・・ 明らかに身分の違いが浮き彫りになっていて、作品自体が大昔の時代物で設定がそうなっているなら普通に見られると思うのですが、この作品は当時の日常現代劇ですので、この頃の人は特に抵抗なく観覧していたのかと思うと、やはりそういう時代だったのかなと思わされました。 それと、この家族の独身の兄が、会社の転勤で満州に移動になるのですが、当たり前のように「やぁ、今度転勤で満州に行く事になったよ」と笑いながら会話するシーンがあるのですが、それを観て、当時の世相が本当に反映されているなと思ったのです。 昭和16年製作の映画ですから、太平洋戦争が勃発する頃ですので、当時の日本が中国を侵略し、満州という国を作って領土化していた事実がよく分かるのですが、この頃はそれが当たり前だったのでしょうか・・・ |