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投稿情報 | 内容 |
NO.780415 まーちんさん(男性/37歳) 2012/06/21 00:55:47 |
その時、Yちゃんの気持ちはすでに彼氏からは離れていたんだと思う。 Yちゃんは昔から俺たちの間ではマドンナ的な存在で、久しぶりにみんなで遊んだその日も俺たちはYちゃんの香りに酔っていた。 今日は彼氏の家に行かなければいけないからとYちゃんが宴会を中座しようとした時、みんなはまだいいじゃないかとしきりに彼女を引き止めようとし、たくさんの人と会うのは久しぶりで楽しいとYちゃんは言って、彼女も彼女でもうしばらく居たそうだった。 「今日は家に帰らなきゃいけなくなったって彼氏に言えばいい」 Yちゃんに惚れている毅が言った。 つまり、嘘をつけと。 いつまでも残ってほしい俺たちはそれがいいと囃立て、気の弱いYちゃんは彼に嘘の電話をすることになった。 しばらくして、電話に出かけたYちゃんが戻ってこないので、俺は心配になり外に出た。 Yちゃんは外にぼうっと立っていた。 「電話したの?」「うん・・・」「家に帰るって言ったの?」「うん・・・」「大丈夫?」「うん・・・」 するとYちゃんは大きな瞳から涙をボロボロと落として言った。 「心が痛い・・・」 俺も心が痛くなった。嘘も方便とか、いい嘘と悪い嘘があるとか俺たちはそんな詭弁を使いながらまるでゲップをするように毎日嘘をつき、それに麻痺している。 自分に都合のいいように、自分が楽になるために。 しかし嘘にいいも悪いもあるか。そんなもの全部悪なのだ。気持ちが冷めていようと嘘は嘘。自分に正直にといいながら人に嘘をつく。凡人は狂人だ。そんなことで泣くなんて。凡人の狂人は思うかもしれないが、それはオマエが凡人の狂人の死人だからだ。嘘は悪に徹する覚悟のある者だけが使っていい。 俺はYちゃんに言った。 「早く彼の家に行きな」 Yちゃんは更に涙を落とした。 「うん・・・」 |
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