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管理者に連絡

投稿情報 内容
NO.613633
紗枝さん(女性/99歳)
2010/07/20 13:03:04
続き

永山は、1979年に地方裁で死刑を言い渡されるのだが、1971年に出した手記の印税を被害者遺族に支払うなどの行為で、1981年に一旦無期懲役に減刑される。
しかし、1990年に最高裁で「家庭環境の劣悪さは確かに同情に値するが、彼の兄弟たちは凶悪犯罪を犯していない」として死刑判決が確定する。

和美は「被害者家族の心中を考えれば、彼が犯した罪は到底許されない。しかし妻として、愛する夫の判決には、死刑という形の償いではなく、無期懲役で被害者遺族への罪の償いを望む気持ちはあるけれど、私がそれを口に出す立場にない事は百も承知している。なぜなら、夫は被害者遺族の愛する命を奪ったのだから、その妻である私が、夫の死刑を間逃れ無期懲役で償わせて欲しいなどとは言えない・・・それが苦しい・・・」と漏らしている。
ここには加害者側遺族の苦しみがあった。

母親を憎み、世間・人間を悲壮な目で見ていた永山・・・
しかし、和美との出会いによって、人から愛される事の喜び、そして人を愛する充足感を知り、自分が犯した罪の重さを理解し始める・・・
そして、死刑から無期懲役に減刑された事も重なり、闇心に閉ざされていた永山の心は少しずつ開き、被害者遺族への猛省と厚生心が芽生え始めていた。

けれど・・・最高裁で死刑判決が確定した事によって、永山の心は再び閉ざされて行く・・・
「人は人から愛される事で他人を傷つける事の罪の重さを理解する・・・少しずつ前へ開きかけた彼の心が再び萎んで行くのを見るのは辛かった」と和美は語る。

被害者遺族にして見れば、犯行に至るまでどれだけの苦悩が加害者にあろうともそんな事は関係なく、愛する者の命を他人の手によって奪われた事実には一切の言い訳など通用しない。

被害者側の想いと、加害者側の想い・・・この2つの相違は埋められるはずもなく、私がつくづく思ったのは、結局法の裁きというのは、犯行に至るまでの経緯ではなく、他者に身体危害を加えた事実が全ての焦点となる事だった。

犯人側にどれだけ苦しく辛い環境があろうとも、人から酷い仕打ちを受け恨みを抱えていようとも罪を覆す事は出来ない。

長くなって申し訳ありません。

TVのニュースで知る凶悪犯罪事件は表立った部分しか見れないので、なかなか犯罪者側の心理というのは考える事がないと思うのですが、危害を加えた側が悪いというのは前提であったとしても、犯罪者側の心理を深く見て行くと、簡単に死刑と判断出来なくなっている自分がいました。

もちろん、被害者側遺族の観点に立って考えるのが大優先である事は理解しています。
自分の家族が誰かに殺られたら到底許せないですからね。

ここまで読んで下さってありがとうございました。
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